パイプの溶融亜鉛めっき仕上げには抜き穴(抜き孔)といって穴あけが必要になります。
溶融亜鉛めっきは、鋼材を高温(約450℃)の亜鉛槽に浸けて、表面に防錆性の高い亜鉛の被膜を形成する処理です。この工程で密閉された構造体や筒状の製品においては、「抜き穴(通気・排液のための穴)」をあらかじめ設けておくことが非常に重要です。
その理由は主に以下の通りです。

内部にたまる空気やガスの排出のため
密閉構造の場合、内部に空気や蒸気が閉じ込められると、亜鉛槽に浸漬した際に急激な膨張・圧力上昇が起こり、最悪の場合、製品の破損や爆発の危険性があります。
亜鉛の流れを確保するため
めっき処理時、亜鉛が製品の内部まで十分に流れ込むことで、内側にも均一な被膜が形成されます。抜き穴がないと、内部に亜鉛が入りづらく、未処理部分が生じてしまうおそれがあります。
排液をスムーズに行うため
処理後に製品を引き上げる際、内部に残った亜鉛がうまく排出されないと、製品内部に溶融亜鉛が溜まり、重量が増加したり、表面に不良が発生する原因となります。
製品設計時の注意
溶融亜鉛めっきを前提とした設計を行う際は、適切な位置とサイズで抜き穴を設けることが必要です。めっき作業の安全性と品質確保のため、事前に打ち合わせを行いましょう。
設計時に気づかず、加工していてメッキ業者様に指摘されここにも穴を開けてと言われることがあります。弊社ではその場合あとからお願いすることがあることを知っておいてください。



